カテゴリー別アーカイブ: 予防歯科

【治療した歯が虫歯に・・・?!②】

■ question ■  治療した歯がまた虫歯になったのですが、これは歯の磨き方が悪いのでしょうか? ■ answer ■ この質問に答えるために、 前回は 歯の構造について解説しました。 虫歯になってしまうと、多くの場合、 外側のエナメル質だけでなく、内側 の象牙質まで削って詰めることにな ります。 それを模式化したのが次の図です。 削った部分には金属等を詰めることになるのですが、実はここで少し問題があります。それは 歯には「噛む」という機能があり、何らかの力を受け止めざるを得ないということです。 歯は金属よりも弾力があり、力がかかると歪むので、金属と歯の境目から次の問題が 生じることになります。さらにその問題が内部に侵入すると、そこにはエナメル質よりも酸に 弱い象牙質が存在するので、表面で起こっているよりもより深刻な問題が起きてきます。 一般的に銀歯は歯科用の セメントで歯に固定されて います。 力がかかって、セメント層 が壊されてくると、次第に 唾液と共にいろいろな物質 が侵入して、内部に問題が 広がっていきます。 これがすぐにわかればいい のですが、なかなか痛みと いう自覚症状は出てきませ ん。 一方で、金属はそれ自体が 丈夫なために、一部分でも 固定されていると、すぐには 外れてくれません。 このような変化は、どんなに 注意深く歯磨きをしたとして も食い止めることができない 場合もあります。 削って治療をしたことの宿命 と言えるかもしれません。 自覚症状がなくても、定期的に歯科医院でチェックしてもらうことをお勧めします。

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【治療した歯が虫歯に・・・?!】

■ question ■  治療した歯がまた虫歯になったのですが、これは歯の磨き方が悪いのでしょうか? ■ answer ■ 治療した歯がまた虫歯になった ・・・お困りですね。 これって歯の磨き方のせい・・・? 実はそうとも言い切れません。  歯の治療の耐用年数 ( 正確に 言うと、口腔内保持年数 ) に関 しては、岡山大学の森田先生ら の研究によると・・・   ・レジン充填(白いプラスチックの詰め物) 5.2年   ・インレー修復(詰める形の銀歯) 5.4年   ・クラウン(1本単独の被せ物、さし歯) 7.1年   ・ブリッジ(歯を失った場合のつながった被せ物) 8.0年  (いずれも平均値)    (森田学ほか:歯科修復物の使用年数に関する疫学調査:口腔衛生学会誌, 1995) となっています。 「へ~、そのくらいしか保たないんだ」と思われることでしょう。 ほとんどが詰めたり被せたりした物の周りから虫歯になりダメになってしまいます。 「削った歯ほど次の虫歯になりやすい」・・・まず、このことを覚えておいて下さい。 でも、注意深く歯磨きをすれば、予防できるのでは? この答えを見つけるには、ほんの少しだけ歯に対する理解が必要です。   

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【歯垢除去について】

■ question ■  歯垢除去はやっぱり必要ですか? よく歯医者さんで定期的な歯のクリーニングをすすめられるますが… 予防にどのようにつながるの? ■ answer ■  皆さんは、歯の表面に固形物もしくは色の異なる物が付着 していると気になってクリーニングを希望されるようですが、 私たちが行っているプロフェッショナル・クリーニングは もう少し深い~いんです。 歯の表面に付着する汚れの代表は、歯垢・歯石そして茶色 いステインでしょう。 でも実はもっと根本的な汚れが歯に付着しているんです。 それは「バイオフィルム」です。 イメージとしては、台所の三角コーナーに付着している ヌメリの膜が、その「バイオフィルム」です。 気づいている方も多いと思いますが、食事をした後、口をゆすぐことも歯を磨くこともせずに放置 すると、歯の表面がざらついてきます。「バイオフィルム」のでき始めです。 「バイオ」とは細菌、つまり歯の表面に細菌が汚れの膜を作ってしまうんです。さらに時間がたつ と細菌がどんどん増殖して、歯の表面に堅く付着するようになります。そうなると、歯ブラシでは 落とせません。しかも「バイオフィルム」自体は色がありませんので厄介です。 この事に皆さんはあまり気づかない。そこで私たちの登場です。 定期的に特殊な器具や歯磨剤を使って、歯の表面を傷めないように磨いて、次の汚れが 付着しにくい環境を作ります。 予防大国のスウェーデンでも最低3~6ヶ月に一度のクリーニングが推奨されています。 私たちは目に見えない敵と闘っているのでした。

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