カテゴリー別アーカイブ: 一般歯科治療

【歯を抜かずに虫歯の治療をしたい】

■ question ■ 歯を抜かずに虫歯の治療をしたいのですが、 どうしても歯を抜かなければならないのはどんな場合ですか? ■ answer ■  最近では、いろいろな治療法が確立され、 抜歯せずに済むケースが増えました。 しかしながら、不幸にして抜歯をしないと いけない場合もあります。 どのような場合にそうなるのでしょうか? いくつかの例を挙げてみます。 (1)治療不可能な重度の虫歯 (2)虫歯はひどくなくても、骨の中に深く炎症が及んで、治療による改善が見込めないとき (3)重度の歯周病で、歯を支える骨が著しく失われ、症状が治まったとしても、咀嚼機能の   回復が見込めないとき (4)歯根が折れてしまっているとき(保存可能なケースもあります) (5)親知らずや歯並びの悪い部分の歯など、充分に清掃できず、他に虫歯を作ってしまう   危険性のあるとき (6)過剰な歯もしくは異常な位置に萌えている歯 (7)永久歯が萌えるのを妨げている乳歯 (8)その他 いずれにしても、「歯を抜く」という場合には、的確な診断に基づいて、治療をして歯を残すことよりも抜歯をするほうが患者さんにとって利益があると判断される必要があります。 逆に言えば、患者さんにとっては自覚症状がそれ程でなくても、その歯の予後(今後の状態)を考え た場合に、抜歯する方がよいというケースもあります。 患者さんの希望に応じて、治療をして経過をみたために、かえって周囲の骨を失うことになる 場合もあり、そうなると後でインプラント治療を行おうとしてもできなかったり、義歯を作ろうと しても安定の悪いものになったりします。 かかりつけの歯科医の先生と、今後の経過等を含めて、よくご相談なさってください。

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【虫歯は削るもの? -後編-】

※ 前編からの続きです。    ⇒前編は≪こちら≫から。 「虫歯菌は歯を食べません。」 虫歯菌は口の中に入ってきた糖分を 分解して酸に変えているだけです。 しかし、それは約2~3分程という物凄い 速さです。ですから、食事(間食も含む) をすれば、必ず口の中が酸性になり、歯 の表面からカルシウムが失われます。 これを止めることはできません。 でも、ご心配なく! 目に見える虫歯になるには頻度と時間の経過が関係します。 だらだら食事をしたり、間食を繰り返したりすると、口中が酸性になり歯の脱灰状態が継続 することになります。高頻度の間食(飴玉1個でも1回の間食)をとると、初期の虫歯になるのに3週 間くらいしか、かかりません。このような生活習慣のままでは、いくら治療をしても意味がありません し、歯磨きも効果が期待できないことになります。 ですから食習慣の改善を含めた指導を行うことが最も必要です。 まずは規則正しい食事と、1日 1回だけの間食で、歯の脱灰 を最小限におさえること。 そこから治療が始まります。 食習慣の改善をしていきながら、 併せて失ったカルシウムを元に 戻して(再石灰化して)いきます。 主にフッ素を用います。 数週間から数ヶ月の時間をかけて歯の表面をクリーニングしながら経過をみていきます。 それでも改善できない虫歯には削る治療が必要になってきます。 今現在は削るといっても、以前のように穴を大きく広げないように治療することが普及してきました。 スウェーデンからきたカリソルブという薬(保険適用ではありません)のように、虫歯の部分だけを選択的に取り除くことができるものも現れました。 削った部分もレジンといわれる白い樹脂で小さく詰めたりセラミックスを使用することが多くなってき ました。その方が歯そのものの強度と弾力を保てるのです。

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【虫歯は削るもの? -前編-】

■ question ■  治療に行ったら「今はできるだけ削りません。」と言われましたが 本当に大丈夫なんでしょうか? ■ answer ■ 「虫歯は削るもの!」 そう思うのが 普通ですよね。 でも実は虫歯にも いろいろな段階があります。 一般には、穴が開いたら 「虫歯」と 認識されるようですが、本当はそれ では遅いんです。 私たちは虫歯の初期段階に注目 しています。もちろん穴なんか開い ていません。 どうなっているかというと、この段階では歯の表面が白っぽくなっているだけです。 極端な言い方かもしれませんが、虫歯は単なる化学反応であると理解して下さい。つまり歯の表 面が酸で溶かされカルシウムが抜けた(脱灰された)状態です。化学反応であるとすれば理論 上は食い止めることが可能です。 でもこの段階で見逃すと茶色い虫歯になり、さらに穴が開いてきます。 そうならないために必要なのが「再石灰化」、最も先進的で予防的な考え方であると思います。 ⇒続きは後編で。

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